伯州 鈴乃希

2011年に倉吉市で創業された日本料理専門店。おもてなしと日本料理の伝統を学び、経験を重ねて来られたご夫婦が2017年に米子市に移転。時代を経た建物とロケーションというテーマで、繁華街と程よい距離感のひっそりとした場所に、住む人も居なくなった小さな家を見つけ出され、次なる表現の場所として始められた静かな佇まいのお店。内部は時代と生活様式の移り変わりと供に改修された箇所もあったが、和室の造作自体は大きく傷つけられてはおらず、日本料理店の厨房として機能を満たすための改修以外は、出来る限り「修復」することに専念した。市街地の住宅であったため、元々家族の居室と客間兼、仏壇と床間を備えた「広間」を、新たに襖で仕切ることが出来るようにして、奥へと繋がる「縁」と増築された「茶室」を修復した。茶室にあった小さな「待合」だったスペースを客室にするために加工が必要だった部分は、手を加えた木部の新旧が違和感なく同居するために「柿渋」を使い色と質感を整えた。放置されていた庭はすっきりと整え駐車場との境目に竹穂垣を結い、玄関へのアプローチに沿って竹のフットライトを配した。同店は「ミシュランガイド京都・大阪+鳥取2019」で1つ星に掲載されている。

AREA : 鳥取県米子市
DATA : 2017年施工 木造(2階建)※庭(アプローチ)の整備 延床面積 88.00㎡
CLIENT : https://www.suzunoki.tottori.jp/

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