製パン業を営まれるご夫婦は、早朝から夜遅くまで多くの時間を工房兼店舗で過ごされるというライフスタイルのため、出来るだけ小さなスペースに効率的な導線をもった平家とすることで、家事導線の効率化と掃除の時間短縮を図った。ご夫婦のご要望でもあった、毎日の疲れを癒やしてリフレッシュする場所としてのバスルームは広く取り、洗面脱衣室とフレームレスの透明ガラスで仕切ることで、更に広く感じられるようにした。バスルームと同様に、特に休日や、在宅時に多くの時間を過ごすLDKには、本棚で仕切られた小さな書斎を。東面には大きな掃き出し窓を設けた外側に広いウッドデッキを設け、室内外を視覚的に繋げることで、コンパクトな建物ながら、余裕のある空間にすることが出来た。ウッドデッキ上部に設けたパーゴラ状のルーバーを通して差し込む太陽の動きに合わせて時間を追って変化するストライプ状の影が、ウッドデッキの壁と床に映し出され、室内からその変化を楽しむことができる。外壁は白色のガルバリウム鋼板小波板を主に使用し、エントランス部分のみ、白色モルタル掻き落とし仕上で入隅をR面にした玄関ポーチの壁天井とすることで、建物の印象を柔らかくした。建築実施設計は株式会社ベリーに依る。