大山黒牛 強小亭

古くより畜産が栄え、江戸期には日本で唯一となり、明治期には日本最大の市であった名峰大山の山麓で、黒毛和牛の始祖と言われる気高系を育て上げた伝統を現代に受け継ぐ大山黒牛の専門店である。市の中心部に建つ、間口が比較的狭い3階建てビルのファサードとテーブル席を配置した1階客席と掘こたつ・座卓の個室を持つ2F客席のデザインを担当した。1F入口を入るとクローク・レジ機能を備えたレセプションがあり2階席へ向かう階段室を抜けると、細い丸竹のパーティションで仕切られた1階のテーブル席スペースがある。壁面は建仁寺割竹と古い日本の家屋に用いられたひび割れた土壁風の左官材の、同系色ながら質感の異なる素材を使用する事で、出来るだけ余計な視覚的情報に惑わされず大山黒牛を堪能出来る空間になる様に配慮し、且つどこか懐かしさを感じられる様に、歴史と伝統へのオマージュとした。階段を上がると靴を脱いでくつろげる堀こたつ席と10名程度で利用できる個室になっている。堀こたつ席は1階と同様、土壁風の壁で仕上げられた空間を、建仁寺割竹のしなる特性を利用した8人程度が利用出来る円卓を囲む、円形のパーティションで仕切られた程良いプラーベート性を持つ席と、小さな4人席がある。階段を上がってすぐには10名程度で利用ができる完全個室が1室あり、気密性のある空間で他の利用客を気にする事なくゆったりとくつろぎながら大山黒牛が味わえる空間になっている。

AREA : 鳥取県米子市
DATA : 2009年施工 鉄骨造(1・2階部分) 延床面積 132.30㎡
CLIENT : https://kyoshotei.com/

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